疫学セミナー ・過去の会のオンデマンド視聴のご案内

 

ごあいさつ

 
いつも疫学セミナーにご参加頂き、ありがとうございます。
 
これまでのセミナーでは、私の書いた教科書『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021)の解説、最新のNEJM論文の解説、私の教科書等で基礎を学びながら最新のNEJM論文を読み解く試み、などを行ってきました。
 
2022年3月の第1回から毎月1回のペースで開催し、1年が過ぎました。さいわいに、多くのみなさまにご参加頂き、たいへん感謝しております。また、参加者の方々から、過去に開催した会の動画を、さかのぼって視聴したいというご要望を頂いております。
 
そこで、過去のセミナーの動画をオンデマンドでご視聴頂けるよう設定をいたしましたので、案内申し上げます。以下に、それぞれの回の概要を掲載します。お申込みを頂くと、その回のセミナーの動画をご視聴頂けるほか、セミナーで使用したスライドもご覧頂けます。
 
ご関心をお寄せ頂き、ご視聴を頂ければたいへん幸いです。
 
どうぞよろしくお願い申し上げます。
坪野吉孝(セミナー講師・東北大学大学院客員教授)
 
 
 
 
回数・タイトル・詳細と申込のリンク
このページの下部に、各回の詳細を記載しています
タイトル詳細リンク申込リンク
1標的とするランダム化比較対照試験を模倣する観察研究(Target-trial emulation)について詳細申込
2ランダム化比較試験からプラットフォーム試験への進化詳細申込
3検査陰性(test-negative)症例対照研究詳細申込
4食物の血糖上昇作用と心血管疾患リスクの前向きコホート研究詳細申込
5小児期の危険因子と成人期の心血管疾患の前向きコホート研究詳細申込
6ビタミンDサプリメントの骨折予防効果を否定したランダム化試験詳細申込
7心血管疾患の検診の死亡リスク低下を否定したランダム化試験詳細申込
8気候変動の健康影響に対するNEJMの取り組み詳細申込
9疫学とは・疾病頻度の指標・関連性の指標詳細申込
10関連性の指標-抗認知症薬レカネマブのNEJM論文に「悪化抑制27%」の数値が出てこないのはなぜか?詳細申込
11疾病頻度の指標-内視鏡検診による大腸がん死亡率の低下なし?詳細申込
12P値・統計的有意差・95%信頼区間詳細申込
 
各回の参加費 私費参加 2,000円
公費参加(研究費・経費等) 10,000円
 
参加費に含まれる内容
お申込み頂いた回の、セミナー動画のオンデマンド視聴
-現時点で、視聴期限はとくに設けておりません
セミナーで使用したスライドのPDFファイルの閲覧
 
事務局・問合せ 株式会社エピデミア 疫学セミナー運営事務局
 
 

第1回ー『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』の著者解説

標的とするランダム化比較対照試験を模倣する観察研究(Target-trial emulation)について

開催日時 2022年3月4日(金)19:00-20:00
 
このセミナーでは、2021年12月刊行の『疫学-新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝著・勁草書房)を題材に、著者自身が解説を行います。
 
第1回となる今回は、大規模診療データベースを活用した観察研究において、傾向スコア等とは別に因果推論の質を高める方法として注目されている”Target-trial emulation”について解説します。
 
イスラエルの新型コロナワクチン集団接種のデータを用いた観察研究で、先行するランダム化比較対照試験とほぼ同等の有効率という「マジック」のような結果を報告したNEJM論文を紹介します。NEJMに掲載された新型コロナの疫学論文のなかでも、私が「もっとも美しい」と感じた論文です。
 
テキスト該当箇所
『疫学-新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝・勁草書房・2021)
第II部応用編2章・後向きコホート研究 リアルワールドエビデンスの「マジック」ーイスラエルの集団接種(p111-135)
 
第1回お申込み https://bit.ly/3H3fSxw
 
 

第2回ー『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』の著者解説 ―ランダム化比較試験からプラットフォーム試験への進化―

 
開催日時 2022年4月23日(土)13:00-14:10
先日開催した第1回セミナーでは、NEJMに掲載された新型コロナの疫学論文のなかでも、私が「もっとも美しい」と感じた、イスラエルの集団接種の論文を取り上げました。第2回セミナーでは、私が「もっとも心打たれた」論文を取り上げます。パンデミック初期の2020年の春、英国を襲った第1波のなか、あふれる患者で医療崩壊が生じ、多数の医療従事者も犠牲になりました。有効な治療法も明らかではありません。
そんななか、英国全土の臨床医が協力して、複数の治療薬についての大規模なランダム化比較試験を始めました。2020年3月の研究計画書の公表から、わずか3カ月あまりで結果の第一報が公表され、副腎皮質ホルモンの一種であるデキサメタゾンによる入院患者の死亡率低下が示されました。第一報の公表から、正式にNEJMの論文として掲載されるまでの約8カ月の間に、世界で100万人の生命を救ったと推計されています。
短期間で成果を産み出した背景には、この研究が古典的なランダム化比較試験より進歩した「プラットフォーム試験」の方法を採用したことがあります。
セミナーでは、英国の医師たちが、医療崩壊の中で必死に新型コロナ患者の診療に当たるかたわら、大規模なプラットフォーム試験に参加しデータを提供して、デキサメタゾンの有効性を明らかにし、無数の患者の生命を救うに至った感動的な物語を、その科学的な革新性とあわせて紹介します。
 
テキスト該当箇所
『疫学-新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝・勁草書房・2021)
第II部応用編6章・ランダム化比較対照試験 パンデミックの時こそ、緊急性と科学性を両立させる-デキサメタゾン(p198-217)
 
第2回お申込み https://bit.ly/3Xg1ffW
 
 

第3回ー『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』の著者解説 ―検査陰性(test-negative)症例対照研究―

 
 
第3回セミナーでは、NEJMに掲載された新型コロナの疫学研究のうち、私が「もっとも重大な問題点がある」と感じた論文を紹介します。
 
今回紹介する論文は、2021年の春に英国で猛威をふるったデルタ株に対するワクチンの有効性を評価した症例対照研究です。症例対照研究のなかでも「検査陰性デザイン(test-negative design)」という手法が用いられています。ワクチンに関する症例対照研究のバイアスを減らすために開発された、最近の手法です。
ところが今回の論文では、「検査陰性デザイン」の手法を採用したと称しながら、もっとも核心的な部分でこの手法から逸脱しており、ワクチンの有効性を実際以上に過大評価する結果になっています。この点が、論文の査読の段階で見過ごされてNEJMに掲載され、その後も、この問題点が議論されることはありませんでした。
世界最高のNEJMに掲載される論文といっても、方法論に非の打ちどころがない研究ばかりではありません。重大な問題がある研究が、欠点が見過ごされて掲載されることもあるのです。意外に感じられる方も多いかも知れません。
「重大な問題点のあるこの論文が、なぜNEJMに掲載されたのか?」
セミナーでは、この点を分かりやすく解説します。
 
テキスト該当箇所
『疫学-新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝・勁草書房・2021)
第II部応用編4章・症例対照研究 急速に蔓延するデルタ株との闘い(p158-175)
 
第3回お申込み https://bit.ly/3XuJJEh
 
 

第4回ーNEJM掲載の疫学論文にみる最新の研究状況の解説

食物の血糖上昇作用と心血管疾患リスクの前向きコホート研究

開催日時 2022年6月25日(土)13:00-14:10
 
第1回から第3回のセミナーは、『疫学-新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(勁草書房)の解説を行いました。
第4回からは、世界でもっともインパクトの高い医学専門誌New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された、新型コロナ以外の疫学論文をとりあげ、最新の研究状況を解説します。
今回紹介するのは、「血糖上昇作用が高い食物を多く摂取すると、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなる」ことを示した前向きコホート研究の論文です。NEJM2021年4月8日号に掲載されました。
ところが、同様の知見を示した論文がはじめて報告されたのは、2000年の臨床栄養学の専門誌に掲載された、ハーバード大学の前向きコホート研究でした。
20年以上も前にはじめて報告された知見を再現しただけのように見える論文が、なぜいま、NEJMに掲載されるのか。その背景には、どのような事情があるのでしょうか。
セミナーでは、これらの点について、わかりやすく解説します。
 
第4回お申込み https://bit.ly/3H01rsJ
 
 

第5回-NEJM掲載の疫学論文にみる最新の研究状況の解説

小児期の危険因子と成人期の心血管疾患の前向きコホート研究

開催日時 2022年7月30日(土)13:00-14:10
第5回では、前回に引き続き、世界でもっともインパクトの高い医学専門誌New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された、新型コロナ以外の疫学論文をとりあげ、最新の研究状況を解説します。
今回紹介するのは、「小児期の肥満・高血圧・脂質異常などの危険因子により、成人期の心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなる」ことを示した前向きコホート研究の論文です。NEJM2022年5月19日号に掲載されました。
小児期の危険因子と成人期の病気との関連という、一見シンプルな問題を調べるために、研究者がどのような努力をしたか。この研究がNEJMに掲載された理由はどこにあるのか。
セミナーでは、これらの点について、わかりやすく解説します。
第5回お申込み https://bit.ly/3HrCJTC
 
 

第6回ーNEJM掲載の疫学論文にみる最新の研究状況の解説 ビタミンDサプリメントの骨折予防効果を否定したランダム化試験

開催日時 2022年8月27日(土)13:00-14:10
 
第6回では、中高年にビタミンDのサプリメントを5年間投与しても、骨折の発生率は下がらないことを示したランダム化比較対照試験を紹介します。2022年7月28日号のNEJMに掲載されたばかりの新しいデータです。先行研究の結果は不一致でしたが、今回の試験はこれまで最大規模で、「決定的な審判」と評価されています。
1990年代より、ベータ・カロテンやビタミンEなど、ビタミンやミネラルのサプリメントによる、がんや心血管疾患の予防効果を調べるランダム化比較対照試験が報告されてきました。その大半は、効果なし、またはかえって有害という、予想に反する結果でした。今回の論文は、こうした動向にとどめをさした研究ともいえます。サプリメントについてのこれまでの研究動向も、あわせて紹介します。
 
第6回お申込み
 
 

第7回ーNEJM掲載の疫学論文にみる最新の研究状況の解説 心血管疾患の検診の死亡リスク低下を否定したランダム化試験

開催日時 2022年10月15日(土)13:00 - 14:15
 
第7回では、地域住民を対象に、心血管疾患に対する多数の項目の検診(血液・血圧・心電図・胸部単純CT)を行っても、総死亡リスクは低下しないことを示したデンマークのランダム化比較対照試験を紹介します。2022年8月27日のNEJMにオンライン公開されました。
 
「早期発見・早期治療」の有用性が「常識」となり、日本でも特定健診(メタボ健診)をはじめ、多数の検診が公的施策として行われています。その一方で、検診の「無用性・有害性」を強調する主張を、一般メディアで多く見かけます。また、今回の論文のように、検診の有用性に疑問を呈するランダム化試験等のデータも、けっして少なくありません。
 
どう考えればよいでしょうか?
今回の論文を題材として、検診の有効性や問題点を理解するためのポイントについて、わかりやすく解説します。
 
第7回お申込み
 
 

第8回ーNEJM掲載の疫学論文にみる最新の研究状況の解説 気候変動の健康影響に対するNEJMの取り組み

開催日時 2022年11月19日(土)13:00 - 14:15
 
第8回では、化石燃料による気候変動の健康影響に対するNEJMの取り組みについて解説します。
 
気候変動による健康の悪化が、人類の生存を脅かす大きな問題となっています。2022年6月16日に公表されたNEJM編集長らの論説は、「医学、とりわけ医学専門誌にとって、なぜ化石燃料が重要な問題なのか?」と問い、「21世紀の診療に必要な知識とツールを、医師と研修医が身につける」目的で、NEJMと二つの姉妹誌が、毎月1本以上の論文・論説を出版する計画を表明しています。これまですでに約10件の論文・論説が公表されています。
 
つまり、世界最高の「臨床医学」専門誌であるNEJMが、気候変動による健康の悪化を防ぐことを、同誌の読者である医師や医療職の重要な課題として位置づけているのです。個々の患者に対する臨床診療に留まらず、社会のリーダーとしての関与を求めています。「私たちの患者の健康と、私たちの世界の健康のために、私たちの闘いが必要とされています」と論説は結んでいます。
 
セミナーでは、これまでに出版された論文・論説のハイライトを解説し、気候変動が「臨床医学」の重要問題として認識されつつある現状を紹介します。
 
第8回お申込み
 
 

第9回ー疫学(再)入門-教科書で基本を学ぶ・学びなおす 疫学とは・疾病頻度の指標・関連性の指標

開催日時 2022年12月17日(土)13:00 - 14:15
 
これまで疫学セミナーでは、世界最高の医学専門誌The New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された疫学論文を取り上げ、最新の研究状況を紹介してきました。
 
新しい企画として、疫学の基本事項を、2冊の教科書を使って学ぶセミナーを行います。今回はその手始めとして、私の書いた『疫学』の、「疫学とは」(総論)、「疾病頻度の指標」(発生率・累積発生率・有病率等)、「関連性の指標」(発生率比・リスク比・リスクの比と差等)を解説します(詳細下記)。また、『医学がわかる疫学』の、「2疫学的尺度」の章末の練習問題を使い、かんたんな計算問題を一緒に解いてみます。
 
セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行います。また、加減乗除を超える数式は示さず、基本概念や方法の根底にあるイメージを理解できるよう説明します。今回の該当部分とは別に、疫学全般についてのご質問にもお答えします。
 
「基本」といっても、奥が深いです。セミナーでは、次のような事例も紹介し、最新の論文を通して基本事項の理解を深めるようにします。 ・NEJM論文の抄録(要旨)で、ほんらいは「発生率」と表記すべきところを、誤って「累積発生率」と表記している事例。
 
使用する教科書と今回の該当箇所
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021) 1疫学とは 2疾病頻度の指標 3関連性の指標 (p3 - 13) https://www.amazon.co.jp/dp/4326701218/
『医学がわかる疫学』(新興医学出版社、第3版、2004) 2疫学的尺度の章末の練習問題(一部)(p24 - 26) https://www.amazon.co.jp/dp/4880026336
 
第9回お申込み
 
 

第10回ー教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く 関連性の指標-抗認知症薬レカネマブのNEJM論文に「悪化抑制27%」の数値が出てこないのはなぜか?

開催日時 2023年1月14日(土)13:00 - 14:15
 
疫学の基本事項を2冊の教科書を使って学ぶセミナーを始めました。今回はその2回目として、私の書いた『疫学』の、「関連性の指標」の部分を解説します。発生率の比と差・リスクの比と差・オッズ比などです(詳細は後述)。
 
セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行います。また、加減乗除を超える数式は示さず、基本概念や方法の根底にあるイメージを理解できるよう説明します。ごくかんたんな計算問題も、セミナーの場で解いてみます。
 
つぎに、教科書で学んだ基本的な用語や考え方を使って、最新のNEJM論文をどう読み解くことができるか、わかりやすく解説します。
 
今回はとくに、治療群とプラセボ群の発生率などを、「比」と「差」で示す場合の解釈上の注意点について、くわしく説明します。具体例として、新しい抗認知症薬として話題のレカネマブを取り上げます。2022年9月にメーカーが公表したプレスリリースでは、「27%の悪化抑制」が謳われていました(「比」で示した効果)。ところが、同年11月29日に公表されたNEJM論文の本文に、この「27%」という数値は出てきません。
 
どう考えればよいでしょうか? この点をかみくだいて説明します。
 
使用する教科書と今回の該当箇所
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021) 「Ⅰ基礎編 3関連性の指標」 (p8 - 13) https://www.amazon.co.jp/dp/4326701218/
『医学がわかる疫学』(新興医学出版社、第3版、2004) 「8コホート研究」の章末の練習問題(一部)(p125-126) https://www.amazon.co.jp/dp/4880026336
 
第10回お申込み
 
 

第11回ー教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く 疾病頻度の指標-内視鏡検診による大腸がん死亡率の低下なし?

開催日時 2023年2月18日(土)13:00 - 14:15
 
疫学の基本事項を2冊の教科書を使って学ぶセミナーの3回目です。私の『疫学』の、「疾病頻度の指標」のうち、死亡率・致死率・生存率について解説します(詳細は後述)。セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行い、ごくかんたんな計算問題も解いてみます。つぎに、教科書で学んだ基本的な用語や考え方を使って、最新のNEJM論文をどう読み解くことができるか、わかりやすく解説します。
 
今回の事例として、大腸内視鏡によるスクリーニング検査を行っても、大腸がんの死亡率が低下しないことを示したランダム化比較対照試験のNEJM論文を取り上げます(2022年10月27日号掲載)。この論文は、内視鏡による大腸がん検診の有用性に疑問を投げかけるデータとして世界中のメディアで取り上げられ、2023年1月10日号のNature誌でも議論が続けられています(https://go.nature.com/3Wu1S4l)。
 
国立がん研究センターの大腸がん検診ガイドラインでは、スクリーニング検査として、便潜血検査が、「死亡率減少効果を示す十分な証拠がある」と推奨されています。便潜血検査は、便中に血液が含まれていないかを調べる検査です。この検査で陽性になると、大腸内視鏡などの精密検査が行われます。ほんらい精密検査として行われる大腸内視鏡検査を、最初からスクリーニング検査として行えば、より効果は大きいように思えます。しかし、今回のNEJM論文は、この直観に反する結果を報告しているのです。
 
どう考えればよいでしょうか? この点をかみくだいて説明します。
 
使用する教科書と今回の該当箇所
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021) 「第Ⅰ部基礎編 2疾病頻度の指標」 (p6 - 7) https://www.amazon.co.jp/dp/4326701218/
『医学がわかる疫学』(新興医学出版社、第3版、2004) 「2疫学的尺度」の章末の練習問題(一部)(p24-26) https://www.amazon.co.jp/dp/4880026336
 
第11回お申込み
 
 

第12回ー教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く P値・統計的有意差・95%信頼区間

開催日時 2023年3月18日(土)13:00 - 14:15
 
疫学の基本事項を教科書を使って学ぶセミナーの4回目です。私の書いた『疫学』の、「因果性の競合的解釈」(偶然・バイアス・交絡)と、「偶然」の部分を解説します(詳細は後述)。おなじみの、P値、統計的有意差、95%信頼区間について、できるだけわかりやすく説明します。
 
いっぱんに、論文の表1では、対象者の特性を比較したデータが示されます。介入群と対照群の比較、曝露群と非曝露群の比較などです。しかし、グループ間の平均年齢などの差を比較しているにもかかわらず、表1にP値が示されることは通常ありません。なぜでしょうか? 最新のNEJM論文の例を挙げて説明しながら、「因果性の競合的解釈」の理解を深めます。
 
また今回は、通常は統計的に「有意」な差という意味で使われる”significant”の語が、不適切に用いられているNEJM論文の事例も紹介します。
 
セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行います。また、加減乗除を超える数式は示さず、基本概念や方法の根底にあるイメージを理解できるよう説明します。
 
使用する教科書と今回の該当箇所
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021)
「第Ⅰ部基礎編 4因果性の競合的解釈、5偶然」 (p14 - 25)
 
第12回お申込み