第21回疫学セミナー

教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く

大規模(150万)だが平凡な曝露とアウトカム(血圧等/脳卒中等)の論文が、なぜLancetでなくNEJMに出るのか? / 前向きコホート研究 / 素朴な質問

 

ごあいさつ

 
今回は、前向きコホート研究の概略を解説し、ケーススタディとして下記のNEJM論文を取り上げます。
 
『修正可能な危険因子が心血管疾患と死亡に及ぼすグローバルな影響』(NEJM 2023年10月5日号) 日本語要旨 https://nejm.jp/abstract/vol389.p1273
 
・34カ国112件の前向きコホート研究から150万人の個人データを集めて解析 ・5つの曝露要因(BMI・収縮期血圧・非高比重リポ蛋白コレステロール・現在の喫煙・糖尿病) ・2種類のアウトカム(脳卒中や心筋梗塞等の発症・全死因死亡) ・5つの曝露要因の人工寄与危険度割合を算出し、世界の地域ごとに比較
 
たしかに対象者は150万人と大規模ですが、5つの曝露要因も2種類のアウトカムもきわめて平凡です。曝露要因の影響を世界の地域ごとに比べる研究としては、Global Burden of Disease(GBD)研究が有名です。GBD研究はきわめて多数の論文がLancetをはじめとする専門誌に掲載され続けていますが、NEJMに掲載されたことは、若干の例外を除き、これまでほとんどありません。
 
今回の論文は、世界中のデータを集めた点でGBDに似た部分があります。また、検討した曝露要因もありふれたものばかりです。にもかかわらずこの論文が、GBD研究が大好きなLancetではなく、ほかならぬNEJMに掲載されたのはなぜでしょうか? セミナーでは、今回の研究がなぜNEJMに掲載されるにふさわしい意義があるのか、考えてみたいと思います。
 
第17回より始めた、「坪野先生への素朴な質問コーナー」も、引き続きご質問をお受けします。
 
疫学の基本を、初心者として学びたい方。あらためて系統的に学びなおしたい方。ご参加をお待ちしています。
 
坪野吉孝(セミナー講師)
 
開催日時:2023年12月23日(土)13:00 - 14:15 開催形式:ズームまたは放送プラットホーム「シラス」経由の、ライブ配信とオンデマンド視聴 講  師:坪野吉孝(東北大学大学院客員教授)(略歴は下記)
 
 
(参加費) ズーム経由 私費参加 税込2,200円 公費参加(研究費・経費等) 税込11,000円
シラス経由 番組単体 税込2,200円 月額購読 税込5,500円

(お申し込み) ズーム経由申込:https://bit.ly/3Rgzu6r シラス経由申込:https://bit.ly/3SYYC2I
 
申込締切:2023年12月23日(土)13:00
(使用する教科書と今回の該当箇所)
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021)
「第I部基礎編 10 前向きコホート研究 p50-56」
 
 
(講師略歴) 医師・博士(医学)。1989 年東北大学医学部卒業。国立がん研究センター、ハーバード大学公衆衛生大学院などを経て、 2004 年東北大学大学院教授(医学系研究科臨床疫学分野・法学研究科公共政策大学院)。 2011 年より精神科臨床医。 現在、東北大学大学院客員教授(医学系研究科微生物学分野)・早稲田大学大学院客員教授(政治学研究科)・国立がん研究センター客員研究員(予防研究部)。 筆頭著者の論文としてNEJM、JAMAなど。 NEJM日本国内版監修。
 
(その他) ・放送画像の録画や音声の録音は控えてください
Zoom経由でお申込みの場合、領収書は、支払い完了後に自動送信されるメールよりダウンロードいただけます。参加証明書は、支払い完了後に自動送信されるメールより、セミナー終了後にダウンロードいただけます
 
(事務局・問合せ) 株式会社エピデミア 疫学セミナー運営事務局