第16回疫学セミナー

教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く

NEJM論文は、交絡にどう対処しているか / 交絡(1)

 

ごあいさつ

 
「疫学って、けっきょく交絡のことだよね」
国立がん研究センター名誉総長の故杉村隆先生に言われた言葉です。んー、鋭い。杉村隆先生は、私が国立がんセンター研究所の研究員に任用される際の口頭試問のようなセミナーで、一番前の席に座られて、私の発表にいくつも突っ込みを入れられました。当時の私は先生を存じ上げず、「がんセンターには口やかましい先生がいるなあ」くらいにしか思わなかったので、不遜の極みです。その後、折につけいじられたりしながらも、親しみを込めてご指導頂きました。
 
セミナーでは、今回からしばらく、交絡について解説します。交絡は、曝露要因と健康アウトカムの両者に関連する第3の要因(交絡要因)の影響により、両者の関連性をじっさい以上に過大評価したり過小評価したりする現象です。ランダム化を行わないコホート研究などの観察研究では、つねに交絡が影響する可能性があります。近年の疫学の進歩の多くは、どのように交絡に対処するかについての方法論の進歩ともいえます。
 
今回以降のセミナーでは、交絡の概念、交絡の制御方法の基本を解説し、最近のNEJM論文をケーススタディとして取り上げ、どのように交絡に対処しているか、その実際を説明します。
 
セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行います。また、加減乗除を超える数式は示さず、基本概念や方法の根底にあるイメージを理解できるよう説明します。
 
疫学の基本を、初心者として学びたい方。あらためて系統的に学びなおしたい方。ご参加をお待ちしています。
 
坪野吉孝(セミナー講師)
 
開催日時:2023年7月22日(土)13:00 - 14:15 開催形式:Zoomセミナー・ライブ配信とオンデマンド視聴(セミナー後28日間) 講  師:坪野吉孝(東北大学大学院客員教授)(略歴は下記)
 
 
(参加費) 私費参加 2,000円
公費参加(研究費・経費等) 10,000円
(お申し込み) 下記URLまたはQRコードよりお申込みください
申込締切:2023年7月22日(土)13:00
 
(使用する教科書と今回の該当箇所)
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021)
「第Ⅰ部基礎編 7交絡」 (p28- 33)
 
 
(講師略歴) 医師・博士(医学)。1989 年東北大学医学部卒業。国立がん研究センター、ハーバード大学公衆衛生大学院などを経て、 2004 年東北大学大学院教授(医学系研究科臨床疫学分野・法学研究科公共政策大学院)。 2011 年より精神科臨床医。 現在、東北大学大学院客員教授(医学系研究科微生物学分野)・早稲田大学大学院客員教授(政治学研究科)・国立がん研究センター客員研究員(予防研究部)。 筆頭著者の論文としてNEJM、JAMAなど。 NEJM日本国内版監修。
 
(その他) ・Zoom画像の録画や音声の録音は控えてください
・領収書は、支払い完了後に自動送信されるメールよりダウンロードいただけます
・参加証明書は、支払い完了後に自動送信されるメールより、セミナー終了後にダウンロードいただけます
 
(事務局・問合せ) 株式会社エピデミア 疫学セミナー運営事務局
 
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