第13回疫学セミナー
教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く
P値・統計的有意差の問題点とNEJM・Natureの対応
ごあいさつ
前回第12回のセミナーでは、研究結果の競合的解釈(偶然・バイアス・交絡・因果性)について解説し、偶然の影響を評価する手法としてP値・統計的有意差検定・95%信頼区間の基本を説明しました。
世界を代表する疫学者Sander Greenlandらは、2019年3月20日号のNatureに論説(リンク)を発表し、統計的有意差がないことを理由に(因果的)関連性も存在しないことを主張する研究論文を「見ることに、率直にいってうんざりしている」(”frankly sick of seeing”)と厳しく批判しました。そのうえで、P値に基づいて判断する「統計的有意差」という概念そのものを、廃棄することを提唱しています。
こうした主張の背景にある、P値や統計的有意差には、どのような問題があるのでしょうか? 今回のセミナーでは、この点について説明し、世界のトップジャーナルであるNEJMやNatureが、P値や統計的有意差の問題点にどのように対処しているか、最新の事例をまじえて解説します。
前回のセミナーで紹介できなかった、次のようなNEJM論文も解説します。
- 論文中にP値がひとつしか出てこないランダム化比較対照試験(リンク)
- 論文中にP値がひとつも出てこない観察研究(リンク)
セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行います。また、加減乗除を超える数式は示さず、基本概念や方法の根底にあるイメージを理解できるよう説明します。
疫学の基本を、初心者として学びたい方。あらためて系統的に学びなおしたい方。
ご参加をお待ちしています。
坪野吉孝(セミナー講師)
開催日時:2023年4月22日(土)13:00 - 14:15
開催形式:Zoomセミナー・ライブ配信とオンデマンド視聴(セミナー後28日間)
講 師:坪野吉孝(東北大学大学院客員教授)(略歴は下記)

(参加費)
私費参加 2,000円
公費参加(研究費・経費等) 10,000円
(お申し込み)
下記URLまたはQRコードよりお申込みください
申込締切:2023年4月22日(土)13:00

(使用する教科書と今回の該当箇所)
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021)
「第Ⅰ部基礎編 4因果性の競合的解釈、5偶然」 (p22 - 25)
(講師略歴)
医師・博士(医学)。1989 年東北大学医学部卒業。国立がん研究センター、ハーバード大学公衆衛生大学院などを経て、 2004 年東北大学大学院教授(医学系研究科臨床疫学分野・法学研究科公共政策大学院)。 2011 年より精神科臨床医。 現在、東北大学大学院客員教授(医学系研究科微生物学分野)・早稲田大学大学院客員教授(政治学研究科)・国立がん研究センター客員研究員(予防研究部)。 筆頭著者の論文としてNEJM、JAMAなど。 NEJM日本国内版監修。
(その他)
・Zoom画像の録画や音声の録音は控えてください
・領収書は、支払い完了後に自動送信されるメールよりダウンロードいただけます
・参加証明書は、支払い完了後に自動送信されるメールより、セミナー終了後にダウンロードいただけます
(事務局・問合せ)
株式会社エピデミア 疫学セミナー運営事務局
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