第11回疫学セミナー

教科書で基本を学び、最新のNEJM論文を読み解く

疾病頻度の指標-内視鏡検診による大腸がん死亡率の低下なし?

 

ごあいさつ

 
疫学の基本事項を2冊の教科書を使って学ぶセミナーの3回目です。私の書いた『疫学』の、「疾病頻度の指標」のうち、死亡率・致死率・生存率について解説します(詳細は後述)。
 
セミナーでは、予習を前提とせずに解説を行います。また、加減乗除を超える数式は示さず、基本概念や方法の根底にあるイメージを理解できるよう説明します。ごくかんたんな計算問題も、セミナーの場で解いてみます。つぎに、教科書で学んだ基本的な用語や考え方を使って、最新のNEJM論文をどう読み解くことができるか、わかりやすく解説します。
 
今回の事例として、大腸内視鏡によるスクリーニング検査を行っても、大腸がんの死亡率が低下しないことを示したランダム化比較対照試験のNEJM論文を取り上げます(2022年10月27日号掲載)(http://bit.ly/3wfeG41)。この論文は、内視鏡による大腸がん検診の有用性に疑問を投げかけるデータとして世界中のメディアで取り上げられ、2023年1月10日号のNature誌でも議論が続けられています(https://go.nature.com/3Wu1S4l)。
 
国立がん研究センターの大腸がん検診ガイドラインでは、スクリーニング検査として、便潜血検査が、「死亡率減少効果を示す十分な証拠がある」と推奨されています。便潜血検査は、便中に血液が含まれていないかを調べる検査です。この検査で陽性になると、大腸内視鏡などの精密検査が行われます。ほんらい精密検査として行われる大腸内視鏡検査を、最初からスクリーニング検査として行えば、より効果は大きいように思えます。しかし、今回のNEJM論文は、この直観に反する結果を報告しているのです。
 
どう考えればよいでしょうか? この点をかみくだいて説明します。
 
疫学の基本を、初心者として学びたい方。あらためて系統的に学びなおしたい方。
ご参加をお待ちしています。
坪野吉孝(セミナー講師)
 
開催日時:2023年2月18日(土)13:00 - 14:15 開催形式:Zoomセミナー・ライブ配信とオンデマンド視聴(セミナー後28日間) 講  師:坪野吉孝(東北大学大学院客員教授)(略歴は下記)
 
 
 
(参加費) 私費参加 2,000円
公費参加(研究費・経費等) 10,000円
(お申し込み) 下記URLまたはQRコードよりお申込みください
申込締切:2023年2月18日(土)13:00
 
(使用する教科書と今回の該当箇所)
『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝、勁草書房、2021)
「第Ⅰ部基礎編 2疾病頻度の指標」 (p6 - 7)
 
『医学がわかる疫学』(新興医学出版社、第3版、2004)
「2疫学的尺度」の章末の練習問題(一部)(p24-26)
(購入が当日に間に合わなくても受講可能なように配慮します)
 
 
(講師略歴) 医師・博士(医学)。1989 年東北大学医学部卒業。国立がん研究センター、ハーバード大学公衆衛生大学院などを経て、 2004 年東北大学大学院教授(医学系研究科臨床疫学分野・法学研究科公共政策大学院)。 2011 年より精神科臨床医。 現在、東北大学大学院客員教授(医学系研究科微生物学分野)・早稲田大学大学院客員教授(政治学研究科)・国立がん研究センター客員研究員(予防研究部)。 筆頭著者の論文としてNEJM、JAMAなど。 NEJM日本国内版監修。
 
(その他) ・Zoom画像の録画や音声の録音は控えてください
・領収書は、支払い完了後に自動送信されるメールよりダウンロードいただけます
・参加証明書は、支払い完了後に自動送信されるメールより、セミナー終了後にダウンロードいただけます
 
(事務局・問合せ) 株式会社エピデミア 疫学セミナー運営事務局
 
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